検査結果を聞いて待合用のソファで打ちひしがれていると看護師さんが出てきてくれました。
私の横にピタリとついてくれ
「いきなりでびっくりしましたよね、そんなに簡単に受け入れられるものじゃないですものね」
私が今一番欲しい言葉をかけてくれました。
その後
「一人で抱えられることではないですから、泣いてしまうのも当然ですよ。
気にしないで泣いてくださいね。
ご家族や身近な人にはご相談できる方はいますか?」
看護師さんの心のストライクゾーンにバシバシ入ってくる言葉に涙腺は崩壊してしまいました。
その後気を効かせてくれ別の部屋へ案内してくれ少し話を聞いてくれました。
看護師さんの「ご家族には・・・」のところはきっと色々な事情の方がいて、甘えられる身近な人がいるのといないのとでは今後患者としてのストレスが全く違ってくるのでしょうね。
私にはなんでも話せる夫と子供3人、それに両親も健在、兄も非常に頼りになる存在でしたので看護師さんの質問を受けてちょっとホッとしたのでした。
ひとしきり涙を流してちょっとスッキリしたこともあり帰路に着くことができました。
しかしその時はこれから始まるであろう治療というどんな道が続いているのかは全く想像がつかずそれに対して考える余裕もない状況でしたので、ただただ現在の自分ががんだったという現実をどう受け止めきれずにいました。
帰り道は今思えば本当に世界から色が消えてしまった感覚でした。
今思い出してもその時の風景は白黒テレビの映像のようでした。
家までの道すがら私は夫に電話をかけて泣きながら検査結果を報告しました。
その時静かに聞いてくれていたのですが、ただ
「気をつけて帰ってくるように」とだけ言われました。
その後携帯電話にメッセージで
「共に歩いていきましょう」
絶望の底にいた自分に小さな灯りが灯った瞬間でした。
あの時の安心感とこの人と一緒に人生を過ごせる幸せを心から感じました。
コメント