ずっと昔に読んだ記憶があったのですがどうやら細かいところまでは覚えていませんでした。
吉本ばななさんの「キッチン」
読んでみて若い頃とは全然違う読後感でした。
高校生の頃に読んだ内容とはまるで別の本を読んでいるような感覚で新鮮な気持ちで読み終わりました。
キッチンという場所を大切にする主人公の気持ちが長い年月生きてきて自分の気持ちとリンクしなかったものがなんとなく繋がった感じがしました。
実はキッチンという単語よりも台所という単語の方が自分の中ではしっくりくるのですよね。(小説の中でもキッチンじゃなくって台所って言ってますが)自分と家族を支える土台となる場所という感じでしょうか・・今では子供も大きくなってそれほど気を使わずにご飯を作ることが多くなってきておりますが、やはり家族の“土台“は台所だと思っております。実は義母が台所のことを「おかって」と呼んでいて・・これもなんだか素敵な言葉だな〜ってたまに真似して言ってます(笑)
物語の中で急に1人でほうりだされてしまった主人公が台所の冷たい床で毎日眠る場面はすごく悲しい、そしてなんだか美しい。
その後に出会う雄一君とそのお母さんというかえり子さん。この出会いのおかげでみかげは再生できる。
若いから合理的なお互いの関係を結べないの?なんだかもどかしすぎる関係にモヤモヤするのは自分が年を取ったからなのか、若い時の自分はどんなふうに思っていたのか。
昔読んだ本をもう一度読み直してみるのは自分がどんな風に生きてきたのか感じることができるので楽しいですね。読んだ本は差し上げてしまうことが多いのでもう一度購入となってしまうのですが本への投資は無駄にならない!が持論です。
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